こんにちは。ひろASD@ひろです!
本記事の内容
- 発達障害の診断や検査、どんな流れで行うのか解説します【体験談】
- 私が思う診断が必要な方
- 診断のメリット・デメリットまとめました
この記事を書いている私は、発達障害歴約30年ほど。
診断を受けたのは2015年になります。
ここでは具体的に、当事者の私がどんな流れで診断を受けることになったか。
診断を受けた結果何を思うようになったかをお伝えします。
経験談多めのお話ですので、レビュー記事のように気楽に見ていただけると嬉しいです^_^
では、いきましょう!
発達障害の診断や検査、どんな流れで行うのか解説します【体験談】
長くなりますので、3つに分けて説明します!
- 初回診察を受けるまで
- 検査(ウェクスラー式知能検査 WAIS-Ⅲ)について
- 検査結果説明と診断
初回診察を受けるまで
結論として、社会人として働き始めてしんどくなるまで私は診断を受けようと思ったことは全くありませんでした笑
理由として、「何となくそうだろう」と自分に対して思っていたからというのがあります。
母がある時から仕事上子どもの発達に関わり始め、私に対して「あんたは確実にそうや」と言っていたから、というのもあります。
私自身、「自分は他の人とちがう」とずっと思っていたので「発達障害」という言葉を聞いた時何となくあーそれだな。
でもよくある発達障害の言動を調べてもこのあたりは当てはまらないな…と謎が深まるばかり。
一方で、紆余曲折はあっても基本的に自分に無理を強いていることに対する認識がないため病院に行って診断をうけよう!
とはなりませんでした。
そんな私に訪れた転機は、一度目の就職後。
あまりのしんどさに、転職しようと考えた時のことです。
穏便に辞めるためにも、まずは休職をもぎとろうと病院の門を叩いたのがきっかけでした。
それでもしんどかったことには変わりないので、最初の問診票に「辛い。死にたい。生きている意味が分からない」などを記入しました。
その後、先生との診察にてこう言われたのです。
君は病んでるんじゃなくて、10人中2人の考えの人やわ
・・・・?
みんなこうなんじゃないんですか?
そんなこと思わんわ!笑笑
10人中2人っていうのは、野球で言うと1人だけフォームが崩れてるみたいなもの。正しいフォームを知らないとバットにボールが当たらんやろ自分のことを知るためにも検査を受けてみーひんか?
私としては、適当にうつ病という診断書を書いてくれたらそれで良かったのですが、どうやら何か違うらしい。
みんな思わないと言われて、衝撃が走りました笑
それでも私は何のことを言われてるのかよく分かりませんでしたが、そのまま検査を受けることにしたのです。
ちなみに会社を辞めるために休みたい!という私の意思には先生も賛同してくれ、診断書は無事受け取ることが出来ました笑
何がどうなったのかよく分からなかったので、母にとりあえず今日言われたことを話しました。
その時、「あんた、10人に2人てつまりそうゆうことやで」と言われて初めて、「はっ、先生私のこと発達障害者って言ってるってこと!?」と気付いたのです笑
検査(ウェクスラー式知能検査 WAIS-Ⅲ)について
後日、検査の日が訪れます。
検査概要
- 私が受けたのはウェクスラー式知能検査 WAIS-Ⅲ
- 心理士さんと2〜3時間、個室でマンツーマン
- 料金は、診察料や予約料、検査料金を合わせて約15,000円
検査(ウェクスラー式知能検査 WAIS-Ⅲ)は、すごーく簡単に言うと、知能レベルを図る検査です。
つまりIQ値を測定します。しかし、IQ値そのものが問題なのではありません。
さて、カウンセリングルームに通された私。
心理士さんとテストを行います。
あまりテストについては事前に知らないほうがいいと思うので詳しい内容については避けますね。
途中休憩を挟むとはいえ長い、ということを除けば特段身構えるような検査でもないです。
質問によってはカードを使ったり、見つめたりしながら質問に答えていき検査は終了です。
検査結果説明と診断
後日、診断結果を聞きました。
私の場合は、まずは心理士さんと。
検査の結果を受けて私がどんなことが得意でどんなことが不得意なのかの説明を受けます。
ひろさんの場合、記憶・処理能力・言語能力はとても高いですね!
一方で、空間を把握したり、全体をイメージして部分間の関係性を予測したりするのはとても苦手といえます。
ああああ、そのとおりだ…そうだったんだ…
このように様々な説明を受け検査結果のレポートをもらうのですが、まぁよく見られてます笑ほんとに笑
みなさん、素のままで受けてくださいね笑
そしてその次は、医師の診察を受けました。
よく数値に出てるなー。紛れもない発達障害やな。
どのくらいのレベルかっていうと手帳がとれるくらいやな!
いや、衝撃的でした。
え、そうなの?まじで。そんなに?というのが私の正直な感想でした。
IQ値といってもあなたのIQ値はこれ!と出るわけではないんです。
よくテレビなんかで「IQ〇〇の〜」みたいな話が出るから、そうだと思っていたのですが、実際はもっとこの分野は〇〇…というのが分かれています。
私の場合IQ値の一番大きなところで差は20。普通の人は各IQ値に差があっても5ほどしかないそうです。
このIQ値が問題なんじゃないで。
この差が、ばらつきが、生きづらさにつながって障害となってまう。
生きづらくないならそれでええんや。
そういえば、生きづらいと思ったことしかなかった…
みんなそうだと思ってた…
その後、手帳を取得するかどうかについて話し合います。
私としては衝撃的な内容だったので、ほっとするとかいう以前にそこまでだったんだ…という放心状態の方が強かったのですが、仕事そのものは好きだったのもあり障害者枠ではなく普通に働きたかった。
なので先生には手帳を取らず、そのまま過ごすことを告げました。
俺も手帳は必要ないし、そのままでいけると思うで。
ちゃんと考えられるからなぁ。
ただ、正しいフォームはカウンセリングで身につけていこか!
ということで無事診断を受け、この後私はカウンセリングで通院することになったのでした。
私が思う診断が必要な方
私が思うパターンはこの2つだけ!
- 自分が他人とちがうことが原因で、生きづらさを感じている方
- 小さな頃からお子さんの個性に気づき、詳しく知りたい方
自分が他人とちがうことが原因で、生きづらさを感じている方
当サイトで繰り返し言っていることではありますが、当事者が生きづらさを抱えていなければそれは障害ではありません。
発達障害でも不得意なところを補ってあまりある得意を持っている人も多い。
それは、偏りであるが故の才能と呼んで問題ないと思います。
実際、私もあきらかに「あ、こちらがわの人だ」と思える子にあったことがあるのですが、彼は生きづらさなど微塵も感じることなく過ごしています。
観察していると楽しくて良く見ていたのですが、人生とても楽しそうにしていましたし今では仕事で遺憾なくその力を発揮しています。
だから彼にとっては障害ではない。する必要もない。そういうことなのだと思います。
私が先生に検査を進められたのは、間違いなく私にとって、自分の特性が障害と呼べるものになっていたからです。
だから、ネットにあるチェックリストや誰かに指摘されたことがあった、だとか、自分でそうじゃないかと思っている、とかそれによってあなたが苦しんでいらっしゃるなら検査を受けることをオススメします。
実際分かってはいても数値で表されて説明されると、ああなるほど…そういえば…あれも!?それも!?となったりします。
自分のことは自分で結構見つめてきたつもりでしたが、やっぱり生まれつき普通の人と脳機能が違うとなるとどこがずれているのか気付いてないことも多いんだなと思いました。
小さな頃からお子さんの個性に気づき、詳しく知りたい方
お子さんに発達障害があるのではないかと思っておられるなら、私は診断を受けることをオススメします。
なぜなら、私自身もっと小さな頃に分かっていたなら、しなくていい苦労があったんじゃないかと思うことがあるからです。
精神科の待合室で、小さな子どもがご両親に手を引かれていくのをみて、あの時から支援を受けられるっていいなって思ったのを覚えています。
子どもが大人になるにつれて沢山の人と関わる中、どうしたってずれは顕著に現れます。
それでも両親だけでもその特性を知り、その子の個性を知っていてくれればそれが障害となる可能性は少なくなる。
小さな頃に自分のことを認めてくれる人がいるのはとても大事なことです。
また、ご両親にとっても育て方が間違っているわけではないと自信を持つ機会にもなると私は思います。
ただし、発達障害の場合、如何せんまだまだ社会での認知が低いように感じます。
大人でもそうですが、お子様の場合特に「みんな違って当たり前なのに障害にするなんてかわいそう」と言った目を向けられることもあると思います。
私の父がそういうタイプの人なので、やはりある一定数が目に見えないことを受け入れない・考えない・理解ができないということがあるのが悲しいことに現実です。
ですが私はあくまで「その子の個性を知り、今後大切に伸ばすための一歩」にすぎないと思っています。
何も知られないまま、「出来ない」ことを努力不足だと怒られ、否定され本人が「自分が悪い」のだと思うことのほうがよほど「かわいそう」です。
検査や診断といっても、そんなに重く考える必要はありません笑
例えば、ビル50階から景色が綺麗だと叫んでいる人がいても一階にいる人には声が届かないでしょう?
だから、話を聞こうと思ったら同じビル50階に行くしかない。
行ってみると、話も出来るしその人が眺めていた景色も見ることが出来る。
診断や検査というのはその際に使うエレベーターのようなものです。ただの一助にすぎません。
以上の点から早めの診断について、私はプラスだと捉えています。
診断のメリット・デメリットまとめました
最後に、診断のメリット・デメリットまとめてみました!
一つ一つ見ていきましょう!
メリット
自分のことを知ることが出来る
これはとても大きいです。
自分の得意分野を存分に活かして、自分の不得意な部分を誰かに頼るためにも自己理解はとても大切なことだと思います。
発達障害を抱える方々は、良くも悪くもその状態が「当たり前」であるが故に何が出来ていて、何が上手く行ってないのか意外と無頓着だったりするんですよね。
というか、私がそうです笑
例えば、脈略なく何かに「すごい!」と言われても、何がすごいのかさっぱり分からなかったりするんです。
すごいという言葉の意味は分かっても、感覚としては呼吸出来てすごいね、えらいね!と言われてるのと同じ感覚というか。
嬉しいは嬉しいのですが、自分にとって当たり前の行動の何にすごいと言われているのかはその実分からなかったりする。
逆に、出来なかったことに直面したときには不必要に自分で自分を傷つけずにすむ。
そういった意味でも、得意なこと・不得意なとこ両面について自分のことを正しく理解しておくことが出来るのは今後とても役に立ちます。
今までの苦労=自分の不出来ではないのだと知ることが出来る
発達障害は脳機能の問題です。
本人の努力不足ではなく、物理的に出来ないことです。
車椅子をご利用の方に、歩け!などと言わないでしょう?
しかし、自分が抱えてきた問題を「自分が悪い」のだと思っている方は非常に多いように思います。
私の経験から考えても、自分が出来ないことを目の前にすると「私が悪い」と幼少期からずっと思ってきました。
それでも何とかならないかと、泣きながら対策を必死に考えたのを覚えています。
例え後付であったとしても、その時の思いが少しでも報われることは、安心につながるのではないかと思います。
手帳取得などにより、社会的支援を受けることが出来るようになる
自身の特性故、中々就職が難しいと感じていた場合でも手帳取得によって就職が可能になることや、割引等が受けられるのは今後の人生を豊かに生きていくために必要なことだと思います。
私は今の所一般企業で働いているので特に取得はしていませんが、今後お世話になることもあるかもしれません。
手帳は取得後いらないと思ったら返すことも出来ますし、欲しければ取る!くらいの感覚でいいと思っています^_^
デメリット
「障害」があるということに強いショックを覚えてしまう方もいる
これが診断を受けることの最大のデメリットだと思っています。
私自身、このデメリットをすごく感じてきた一人です。
前述したように、私は自分のことをそこまでだと思っていなかったのです。
自分の特性のことをよく分かっていなかった、とも言えます。
だから安心よりも先に「ショック」の方が勝ってしまったのです。
むしろその後落ち込んだ際は、「こんな風に生まれてきたから悪いんだ」と余計に自分を責めるようになってしまいました。
当時の自己肯定感がさがりにさがった私にとっては、脳機能の問題と言われると自分以外誰のことも責めることが出来なかったからです。
障害を受け入れることで、初めて本当の自己肯定が出来るようになると今なら思いますが、本当の意味で自分のことを知り、受け入れることはとても難しいです。
自分に必死に向き合ってきたからこそ、余計難しいこともあると思います。
それでも、迷うなら受けてみることをオススメします。
発達障害は受け入れて初めて障害ではなくなると私は強く思うからです。
デメリットも踏まえた上で、是非ご自身を理解してあげてほしいなと思います。
このあたりを私がどう考え乗り越えてききたのかは、またじっくりお話したいと思います^_^
ただ、何度も言ってきたように検査や診断を受けることはただの一助にすぎません。
いかがだったでしょうか?
発達障害の診断と検査についてのお話でした!
私が見てきた世界が、あなたの参考になれば幸いです!