こんにちは。ひろASD@ひろです!
本記事の内容
- 大人の発達障害について簡単にまとめました
- 発達障害の人が仕事でうまくやっていける理由
- 発達障害の人がつまずきやすい仕事での出来事3つ
この記事を書いている私は、発達障害歴約30年ほど。
社会人経験年数は約9年になります。
ここでは具体的に当事者の私がどんなところにつまずき、またどんなところで評価を得てきたかをお伝えします。
勿論、発達障害は人によって千差万別。当てはまらないことも多いと思います。
けれど、自分もこういうとこある!という方にとって一つの経験談が伝われば幸いです。
では、いきましょう!
大人の発達障害ってなに?
最近良く聞く大人の発達障害。
「大人の」とつきますが、大前提として発達障害は脳機能からくるものであり、それは生まれつきのものです。
決して、大人になって発達障害になったわけではなく、大人になって初めて発覚した、というのが近いです。
努力してどうにかなることではなく、本人の頑張り不足でも幼少期の育て方が間違っていたわけでもありません。
本人が生きづらくなければ障害ですらありません。
ではなぜ、大人になって初めて気づくのか。
それは、社会というものに触れて初めて顕在化するものがあるからです。
例えば、学校や家庭の中では個性を大切にしてくれる家族・友人に恵まれてのびのびと育った方・カモフラージュをして必死に溶け込んできた方…そんな方でも社会という新しい環境化で枠の中にはめられこれまでのようにいかない状況に戸惑うことがあります。
それを理解してくれる人が周囲にいない・うまく相談できない・相談しても本質的に理解してもらえない。
こういった状況が重なり、二次障害的にうつ病などを併発してしまうこと、その確率が普通の人よりも高いこと…これが大人の発達障害であり、その怖さだと私も感じています。
どんなことがきっかけになるのかまだわかりにくいですよね?
具体的に、私ひろの経験をお話します。
私の最初の就職先は建築事務所。図面を描いたりして設計のお仕事をしていました。
私の特性
- 「こうあるべき」というものに従って動く
- 思考することは大得意
こういった特性を持っているので、社会人とは?社会人ならどうあるべきか?というものに従って動くのは対して苦ではありませんでした。そこで私は入社時から、誰より先に行って掃除をする・コピー機の用紙はみんなが来る前に満タンにしておく…といったことを繰り返していました。
こういった「THE 社会人」みたいなものに謎の憧れがあったので笑、この程度のことで人からの評価があがるのを知っていた私はむしろ楽しみながらやっていました。こうゆうの、昭和のおじさまは好きでしょう笑
しかし、私が苦手だったことが3つ。
私の苦手
- 無能な上司への接し方
- 建築の断面図を書く際の「空間」が把握できない
- 「適当で」といわれた時の「適当」がわからない
無能な上司への接し方
無能な上司の何を無能と判断したのかはさておき、新入社員の私からみても「この人何言ってるの?」という疑問しかないような上司でした。私の中で描く「上司たるものこうあるべき」という考えからは、大きく逸脱した人です。
それでも、一年間はきちんと理不尽なことを言われても「申し訳ありません」と頭を下げていました。
・空間把握能力の欠如
これは、建築を仕事にする身としては致命的でした笑
学生の時は大まかな図面で許されていても、実際の建築図面となると話は違います。
細かく断面を描かなければいけません。
私はどうしても階段を切ったところが想像出来ず、断面図を前にすると頭が真っ白になるようになりました。
「適当」がわからない
私はプロフィールでもお話したように、0か100の思考がベースにあります。
勿論全てがそうではないのですが、図面で「そこは適当に描いといて」と言わることが多々ありました。
この時私が思ったのは「適当ってなに?」「それって効率悪くない?」「具体的な数値は?」ということでした。
ここでいう「適当」とは「図面を描くにあたり、納まり良く描く」ということなのですが、私には上記の思考が先行し上手くいきませんでした。
でも先輩方が今までそう言われて育ってきて疑問を持たなかったことなので、おそらく普通の人は難なくその「適当」を探せていたのだと思います。
上記3つがもたらしたもの。
それは、仕事をすることへの辛さでした。
仕事をして夜中まで残って図面を描き、描けないことに苦しむ日々が就職して10ヶ月ほどたった頃に訪れました。
一人でずっと描けないと泣いていたことを覚えています。
加えて、建築事務所は本当にブラックなので、朝9〜22時は平常運転。
遅い時は夜中3時まで仕事をしていた私にとって限界が近づいていました。
そしてあまりのしんどさに、病院の門を叩き発達障害と診断されました。
うつになっているのかと思っていた自分にとっては意外な結末でしたが、自分の謎を知ることもできその後退職への道を歩むこととなります。
あのまま仕事を続けていたら、なぜ自分が断面図が描けないのか理由も分からず、うつ病を発症していたことは間違いないと思います。誰になんと言われようと仕事をやめてよかったと今でも思っています。
ちなみに無能な上司には、最後お礼も言わず辞めました!笑
社会人としてはだめな行為だったと自覚していますが、人間としてはどうしてもお礼を言えませんでした。
それでも、建築事務所の方々はみんな熱い情熱を持っている人ばかりだったし、大事な新人だとゆっくりでいいのだと可愛がってくださいました。
そこに、今でも心から感謝をしています^_^
発達障害の人が仕事でうまくやっていける理由
結論として、発達障害の人がその特性を上手く活かすことができれば仕事そのものは楽勝です。
理由として、そもそも一つのことに没頭しやすい頭の造りになっていることがあげられます。
例えば、時間を忘れて熱心に取り組む。マイルールを作って物事を効率的にすすめる方法を組み立てて実行する。
カモフラージュを長年してきた人にとっては、会社が望むもの・上司が望む言動・周りが望む自分を演じることは朝飯前だからです。
もしかしたら、これをお読みのあなたは、「でもそれがあだになることもあるんじゃないの?」とお思いかもしれません。
確かに、その可能性は大いにあります。実際、私もあだになったことが何度もあります。
しかし理由としてあげたことは全て、発達障害だから為せることばかりです。
そのエネルギーは普通の人がかけられるエネルギーの比ではありません。
具体的に、私の場合で解説していきます!
私が仕事で評価されてきたこと
- 妥協することなく常に「完璧なもの」をこだわりをもって仕上げることが出来る
- 仕事の効率化
- 他人の望む行動を取ることが出来る
妥協することなく常に「完璧なもの」をこだわりをもって仕上げることが出来る
どうも普通の人は、自分が無理しない程度のところに留めておけるらしい。と少し前に学びました笑
なのでそのリミッターをはずして自分の追い求めるものを求めきることが出来る人は意外に少ないです。
理由は簡単で、人は無理をしたくないから。それが危険なことだから。につきます。
なのでそれを「普通」にやってのける発達障害のみなさんの力は、普通の人の中ではよく目立ちます。
評価バク上がりポイントです笑
仕事の効率化
私は仕事をする際、常に一人タイムトライアルをしています笑
前回はこれに15分かかったから、今回はここでこうして10分目標にする。といったような感じです。
これをするとじゃあそれをするのに最適な手の位置は?質問は?ルーティーンは?と組み上げることが出来、効率的かつ合理的に仕事をすることが出来ています。これはとても楽しいです笑
手慣れたことなら、AIかのように仕事をしているので頭はほぼ使っていないです笑
他人の望む行動を取ることが出来る
これは社会の中では非常に役に立っています笑
自分の考えをもち、適切なところでそれを言い、上司を助けてくれる部下を上司は大好きです。
誰もやりたくないところ、難しいことに手をつけ上司のおかげだと言ってくれる部下も上司は大好きなものです。
例えそれが見え透いたものであったとしても、言われて嫌な気になる人はいない。そうゆうことだと思います。
私はいつも、貸しを作るつもりでそうゆう行動をしています笑 実に嫌な部下だと思います笑
途中、苦しくなったことは何度もあります。
ご存知の通り、発達障害者のこのような特性は諸刃の剣のようなもの。
いい時ばかりとは言い難く、しんどくてもそれを理解してもらえることはまずないです。
それを和らげる方法は、ぶっちゃけてしまうと一長一短では叶いません。
自分を知り、学び、一つずつ実践して初めて自分にあった方法かどうかを知ることが出来ます。
何度も言うように、発達障害であることは脳機能の問題。
自分の脳が引き起こすことを意図的に理解し、意図的に組み換えていくことは容易ではありません。
なのでそのあたりの方法や私が実践してきたことは今後記事にしていきますね!
それでも、一つ一つ乗り越えて自分を知っていくことは苦しいばかりではなく、自分の力の良いところを最大限に活かす一つの方法論だと私は思っています。
スイッチをいれる時は「GO!!」と自分でサインを出し、だめなところは「STOP!!」と自分で言う。
これが出来るようになると最高なのですが、そこは私もまだ修行中です笑
序盤にお伝えしたように、誰にでも出来ることじゃないことを当たり前のように出来ることは、大きな財産です。
結論として、難しいのは自分を理解することなのであって仕事そのものは楽勝だと私は思っています。
私はそこに可能性を感じています。
発達障害の人がつまずきやすい仕事での出来事3つ
最後に、発達障害の人が特につまずきやすい仕事での出来事を
3つお伝えします!
- コミュニケーションをとっていても、障害と認知されないことが多い
- うまく自分の悩みを話すことが出来ない
- 没頭しすぎて他のことを犠牲にし始める
何が出来るわけではなくとも、こういったことがあるかもしれないと頭の片隅に置いておくといいかなと思います。
具体的に説明していきますね!
コミュニケーションをとっていても、障害と認知されないことが多い
これは本当に多いです。
やろうとしていないのではなく、「本当に出来ない」んだと伝えたい。
頭が真っ白になって何も浮かばない、というのを知ってほしい。と思うのにそうは認知されない。
こういった場面に何度も出くわし、自分が間違っているのか、私はただ甘えているだけなのか悩み、その度に凹みました。
世を儚むレベルで、とてもしんどいです。
けれど、私はそれでも「こういったことが苦手です」と積極的に自己開示するようにしています。
私たちにとって大切な話です。傷ついてきた経験を沢山持っている人もいるでしょう。
なので誰にでも話せというわけではありません。
ただ、話をした人たちの中には、その特性をもった私を理解しようとしたり受け入れようとしてくれた人たちが沢山いたのも事実です。その中でとても大切な人や親友も出来ました。
うまく自分の悩みを話すことが出来ない
これも上記と少しかぶりますが、言語化するのが苦手・もしくは難しい方もいらっしゃるかと思います。
また、どうせ理解されないと諦める場合もあります。
それがかえって、人間関係を悪化させることもあります。私の場合、先輩と約半年口をききませんでした笑
勿論仕事の話はしますので、雑談をしなくなった、という意味です。
同じところを何度もミスしてしまったり、アドバイスを何らかの理由で受け取れなかったりする場合は発達障害ならではのミスマッチポイントや、こだわりが隠れているかもしれません。
それを言葉に出来たらいいのですが、ここまで読んでそこに難しさを感じる方。
一人で発見したり、理由付けするのはとてもむずかしいので、病院等で相談するのが一番早いかもしれません。
心理士さんたちは、私たちの何がずれているのかどう考えたらいいのかを上手く言葉にしてくださいますよ^_^
ちなみに私の場合は、どうせ理解されないと諦めるパターンだったので途中で話すこと自体をやめました笑
そうすると意外と、先輩と雑談しなくても仕事はきちんと出来るし、他に私を理解してくれる人はちゃんといるしでなんの問題もないことに気づきました笑
没頭しすぎて他のことを犠牲にし始める
これは私も本当に苦手なので別記事で詳しく書きたいと思います笑
簡単に説明すると、気づかず自分を犠牲にし始めます。
仕事好き→時間ないな→家でやるか→楽しいな→仕事orご飯…仕事!
というように笑
気づくとすごい社畜になって、自分が泣き始めてようやく色んなものを犠牲にして没頭していたことに気づくといったことが多々ありました。
そうまでならないと自分が追い詰められていることにも気づかないって本当に怖い話です。
リミッターがないことが自分を苦しめてしまうこともあると理解しておきましょう^_^
いかがだったでしょうか?
大人の発達障害についてのお話でした!
私が見てきた世界が、あなたの参考になれば幸いです!